**JPYCが認可され広がる日本のステーブルコイン革命

── メガバンク参入とCeFiとの違い、そして岡部さんの軌跡まで総まとめ**

日本で円建てステーブルコインが正式に認可され、ついに “オンチェーンの円” が本格的に広がり始めました。その中心にあるのが JPYC。
長年、法整備の狭間で地道にチャレンジしてきたプロジェクトが、ついに制度の土台の上に立ち上がろうとしています。

本記事では以下のポイントを “やさしく・全体的に” まとめます。

• JPYCとは何か？

• 何が「認可」されたのか？

• 今後の発展のしかた（国内決済・グローバル展開など）

• メガバンクの参入で何が変わるのか

• JPYCがCeFiとどう違うのか

• そして、JPYCをここまで育ててきた**岡部典孝さん（JPYC Inc. CEO）**の存在

1. JPYCとは？「円のデジタル化」を最も早く形にした存在

JPYC は、1 JPYC = 1 円という価値を保つよう設計された 日本円ステーブルコインです。

特徴は以下の3つ：

1. ブロックチェーン上で即時送金できる「円」

2. 発行量と裏付け資産（円預金・国債など）を透明化

3. 企業やサービスが使いやすい設計

これまで日本では、法制度が整っていなかったため「日本円ステーブルコイン」は実質的に存在しませんでした。
その中で JPYC は、“前払い式支払手段” の枠組みを最大限活用しながら可能な形を模索し、事実上日本で最も早く普及した円ステーブルコインとして知られています。

**2. 認可後は何が変わる？

──「合法かつ裏付けのある円ステーブルコイン」の誕生**

法整備の後、JPYC は金融庁の枠組みの中で正式に発行できるようになり、裏付け資産の管理・償還性・透明性が明確化しました。

これにより、

• 企業が安心して導入できる

• 他の金融機関との連携が進む

• 海外企業も「日本円ステーブルコイン」を扱いやすくなる

といった変化が生まれます。

ここから初めて、
“決済インフラとしてのステーブルコイン”
が日本で現実味を帯びてきます。

**3. JPYCの今後の発展（国内編）

── 実需にもとづく「オンチェーン円」の広がり**

① EC・小売・サブスク決済の広がり

JPYCはガス代が安いチェーンにも展開しやすく、店舗やオンラインサービスの導入が進むと、

• 手数料削減

• 即時決済

• 海外ユーザーからの受け取り

などのメリットが大きくなります。

② 企業内部の送金や精算に使われる

• 取引先への支払い

• 従業員への報酬（部分的）

• グローバル展開する企業の資金移動の効率化

など、“裏側の見えない所” での利用が急増する可能性があります。

③ Web3・ゲーム・NFTなどの分野

オンチェーン経済との親和性が高く、

• 国内ゲームのトークンエコノミー

• NFTマーケットの決済

• クリエイターへの支払い

といった活用も広がるでしょう。

**4. JPYCの今後の発展（グローバル編）

──「円を世界で使う時代」が少しずつ始まる**

円建てステーブルコインは世界でもまだ少数派。
しかし日本企業は海外拠点も多く、アジア市場との相性が良いです。

期待されるシナリオとしては：

• 日本企業の海外拠点間送金

• アジア圏での円決済の拡大

• 貯蓄通貨としての「デジタル円」が定着

特に円は世界的に“安全資産”と見なされており、オンチェーンになることで新しい需要が生まれる可能性があります。

**5. メガバンク参入で何が起こる？

── ステーブルコイン市場が一気に「インフラ化」する**

日本の三大メガバンク（三菱UFJ、三井住友、みずほ）はすでに自社独自のステーブルコイン発行を本格的に検討しています。

これが意味するのは、

• ステーブルコインが銀行レベルの決済インフラになる

• 企業が「円のデジタル版」を標準ツールとして利用する未来が近づく

• JPYCのような先行組と、銀行の巨大ネットワークの共存

特に重要なのは、
JPYCが“先行者”として技術・知見・ユースケースを積み上げてきたこと。

メガバンクは規模が大きいですが、スピード感や柔軟性はスタートアップの方が勝ります。
そのため今後は、

• JPYC × メガバンクの協業

• 相互補完的な利用

• ブロックチェーン＋銀行インフラの融合

といった未来が見えてきます。

**6. JPYCはCeFiとどう違う？

──「中央集権の金融」と「オープンなオンチェーン円」の差**

ここで整理しておきましょう。

① CeFi（Centralized Finance）

• 中央管理者が資金を管理（例：銀行、取引所）

• 送金は営業時間や銀行システムに依存

• 手数料は比較的高め

• 国境をまたぐと複雑

② JPYC（オンチェーンの円）

• ブロックチェーン上で24時間365日

• 個人同士も即時で送金可能

• ガス代は低いチェーンなら非常に安い

• 海外ウォレットにも数秒で送金できる

つまりJPYCは、

「円をインターネット上のネイティブ通貨にする」

という役割を果たします。

銀行の円は強い決済基盤を持ち、
JPYCは軽くて速くてグローバルに動く円。

この両者が補完し合うことで、日本のデジタル金融は大きく進化していきます。

**7. JPYCと岡部さん

── 法整備の前から日本にステーブルコイン文化を根づかせた人**

JPYC Inc. CEO 岡部典孝さんは、
「日本にステーブルコイン文化を作る」
というビジョンを長年掲げ、法制度が整う前から非常にチャレンジングな領域に取り組んできた人物です。

岡部さんの功績として大きいのは：

• 前払い式支払手段の枠組みを使い“合法的に円トークン”を発行

• 改正資金決済法への議論に継続的に参加

• ステーブルコインの社会実装に必要な啓発活動を数年にわたり継続

• 多数の企業・プロジェクトにブロックチェーン利用の道を開いた

• Web3界隈でもっとも“現実的に制度と戦ってきた”人物の一人

JPYCが「認可されたステーブルコイン」として正式に立った今、
岡部さんのこれまでの積み重ねが大きな意味を持ってきています。

特に、
JPYCが先行してユースケースを作ったおかげで、メガバンクの参入もしやすくなった
という側面は小さくありません。

8. まとめ：JPYCの誕生は、日本のデジタル金融の「始まりの章」

円がブロックチェーン上を動き始めたことは、日本の金融史の中でも大きな転換点です。

• JPYCの認可

• メガバンクの参入

• CeFiとDeFiの境界が薄れる新時代

• スタートアップ（JPYC）の俊敏さと銀行の信頼性の融合

• 岡部さんのような“制度の壁を押し開いてきた人”の存在

ここから数年で、日本のデジタル円は実社会に広がり、
「円が世界で最も使いやすいオンチェーン通貨」
という未来も現実的になっていくでしょう。

JPYCはその第一歩であり、
この革命の“火種”のような存在です。